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鉄不足(貧血)と不妊の関係/妊活の栄養

貧血症状

 

鉄不足は、女性の健康問題の一つであり、不妊症にも関与していることが知られています。

特に冷えやフェリチン値といった体の状態が鉄不足によって影響を受けるため、適切な理解と対策が重要です。

 

鉄不足(貧血)の一般的な症状

鉄不足による一般的な症状には、体内の酸素運搬能力の低下や代謝の影響による以下のようなものがあります:

 

1. 疲労感・倦怠感

体内の酸素供給が不足し、筋肉や脳が正常に機能しづらくなるため、慢性的な疲労を感じやすくなります。

 

2. めまい・立ちくらみ

鉄不足による貧血で血液中の酸素が不足すると、脳への酸素供給が低下し、めまいや立ちくらみが発生します。

 

3. 息切れ

運動や少しの動作でも酸素が十分に運ばれないため、息切れや動悸が生じます。

 

4. 顔色の悪化・皮膚の蒼白

鉄不足によるヘモグロビンの減少で、血液の赤みが薄くなり、顔色が悪く見えます。特に唇や爪の色が薄くなることがあります。

 

5. 冷え性

鉄不足が血行を悪化させ、手足などの末端が冷えやすくなります。

 

6. 髪の毛や爪のトラブル

鉄不足により栄養が十分行き渡らず、髪の毛が抜けやすくなったり、爪が薄く割れやすくなることがあります。

 

7. 食欲不振や異食症

鉄欠乏性貧血が進むと、食欲不振や、氷や土などを食べたくなる「異食症」が現れる場合があります。

 

8. 集中力や記憶力の低下

脳への酸素供給が不足し、認知機能に影響を与えることがあります。

 

9. 頭痛

血液中の酸素不足を補うため、脳の血管が拡張し、頭痛が発生することがあります。

 

10. 免疫力の低下

鉄は免疫細胞の働きにも関与しているため、感染症にかかりやすくなることがあります。

 

 

鉄不足の背景

女性が鉄不足になりやすい理由

●毎月の月経により鉄が失われる。
●植物性食品中心の食事では、吸収効率の良いヘム鉄が不足しがち。
●忙しい現代の生活で、鉄を意識したバランスの良い食事を取るのが難しい。

 

鉄の役割

鉄は、赤血球内のヘモグロビンとして酸素を運ぶ役割を担い、筋肉や免疫系の機能にも関与します。不足すると、全身の組織や臓器に酸素が十分に供給されなくなり、様々な健康問題を引き起こします。

 

 

鉄不足が不妊に及ぼす影響

鉄不足は、女性の生殖機能に多方面から影響を及ぼします。

 

排卵の不調

鉄不足により卵巣への酸素供給が低下すると、排卵がスムーズに行われなくなります。

研究では、フェリチン値が20 ng/mL以下の場合、排卵障害のリスクが高まるとされています。

 

子宮内膜の発育不良

子宮内膜は受精卵が着床する重要な場所です。鉄不足により血液供給が減少すると、内膜の発育が不十分になり着床が困難になる場合があります。

フェリチン値が低い女性では、内膜が厚くならず、妊娠成功率が低下する傾向があります。

 

ホルモンバランスの乱れ

鉄不足は甲状腺ホルモンの生成に悪影響を与え、女性ホルモンの分泌バランスを崩します。これが不妊につながる原因の一つとなります。

 

免疫力の低下

鉄は免疫機能を支える重要な要素です。不足により、子宮内での炎症や感染症のリスクが高まり、受精や着床を妨げることがあります。

 

 

冷えと鉄不足の関係

冷え性は鉄不足と密接に関係しています。

 

冷え性の原因

鉄不足により、血液量が減少し、酸素や栄養素の供給が滞ります。その結果、体温調節機能が低下し、特に末端の冷えが強くなります。

鉄不足に伴う筋肉の働きの低下も、体温生成能力の低下に影響を与えます。

 

冷えと不妊

冷え性は子宮や卵巣の血流を悪化させ、妊娠に必要な環境を整える妨げになります。鉄不足が冷えを引き起こし、間接的に不妊の原因となるのです。

 

 

フェリチン値の重要性

フェリチンは体内に蓄えられている鉄の量を示す指標であり、鉄不足の診断に役立ちます。

 

フェリチン値の基準

正常値:20〜100 ng/mL(成人女性)

 

鉄不足の疑い:15 ng/mL以下

 

妊活中に推奨される値:50 ng/mL以上

 

フェリチン値が低い場合の不妊リスク

フェリチン値が低いと、体内で鉄が不足している状態が示唆されます。特に妊娠を目指す女性にとって、50 ng/mL以上を目指すことが推奨されています。値が低いと、生殖機能に必要な鉄供給が不十分となり、不妊のリスクが増加します。私の読んでいる本の分子栄養学の先生によりますとフェリチン値30以下は重度とされています。

 

 

鉄不足の対策と予防

 

食事療法

ヘム鉄を多く含む食品→レバー、赤身の肉、魚介類。

 

非ヘム鉄を多く含む食品→ほうれん草、大豆製品、ナッツ類(ただし、吸収率はヘム鉄に比べて低い)。しかし、ほうれん草だけで必要量をとるとなるとバケツ4杯必要だそうです。

 

吸収を助ける栄養素→ビタミンCは鉄の吸収を高めるので、食事に柑橘類やトマトなどを加える。ビタミンEは同時にとると鉄の吸収を阻害するので時間をずらす必要があります。

 

サプリメントの利用

フェリチン値が低い場合、医師の指導のもと鉄サプリメントを利用します。

副作用として胃の不快感や便秘が起こる場合があるため、胃に優しい鉄剤を選ぶのが良いでしょう。

 

ライフスタイルの改善

適度な運動で血行を促進し、冷えを改善します。

ストレスを軽減することで、ホルモンバランスを整えます。

 

定期的な血液検査

妊活中や不妊治療中は、定期的に血液検査を行い、ヘモグロビンやフェリチン値を確認することが大切です。

自分でもできるフェリチン検査キットもあるようです。

 

 

まとめ 鉄不足(貧血)と不妊の関係

 

鉄不足は、日本人女性の不妊症の一因として一般的にも注目されるべき問題です。フェリチン値を指標に体内の鉄状態を把握し、食事やサプリメントで不足を補うことで、妊娠しやすい体づくりをサポートすることが可能です。冷えや疲労感がある場合は早めに医療機関で相談し、適切な治療を受けることも妊活には必要です。

 

いくら整体でがんぱっても、鉄不足ではさすがに妊娠はしません。

 

 

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2020年08月01日 - 妊娠と食べ物(栄養)