素直さが学びの扉を開く――整体にも通じる「剛情」とは?
初心者の頃というのは、無垢で純粋で、心が真っ白な状態です。
知識や経験がないぶん、何でも疑いなく一生懸命に取り組める。それこそが、人が最も素直に学べるときです。
ところが、ある程度経験を重ねると、必要以上の知識や情報も入ってきます。
本来なら上達の助けとなるはずの経験が、かえって障害となってしまう――そんなことが整体の現場でも見受けられます。
学んでいるはずなのに、かえって混乱する。良いものと悪いもの、真似るべきことと避けるべきことの判断がつかなくなる。
なぜなら、自分自身が築いてきた“型”が、柔軟さを失わせてしまうからです。
整体の世界では「素直な身体」と「素直な心」が何より大切です。
けれども、知識やこだわりが積み重なると、人はだんだん“剛情”になります。
剛情とは、自分の考えに固執し、人の話に耳を貸さなくなる心の状態です。
どんなに良い意見があっても、それが自分の枠外にあると受け入れられない。変わりたいと思っていても、その剛情が強ければ強いほど、変わることができなくなる。まさに悪循環です。
これは整体を学ぶ側だけでなく、施術を受ける側にもいえることかもしれません。
「こうでなければならない」「自分はこういうタイプだから」という思い込みが、自らの変化の可能性を狭めてしまうのです。
生きているかぎり、私たちは常に変化し続けます。
ならば、意思はしっかりと持ちつつも、心はしなやかに、穏やかに。
楽に、ゆっくりと、深く呼吸をする。そんな小さな変化が、世界の見え方を変えていくのです。
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